Nautilus Design Works Inc.

Adobe Firefly で作るAI アバター
品質向上と訴訟リスク回避のベストプラクティス

Adobe Firefly は商用利用が可能な安全性が魅力ですが、現状のアバター機能には品質や自由度の制限があります。本ページでは、サンプル動画を使用しFireflyの現状での品質と改善策を比較してご紹介します。

Adobe Firefly のテキストからアバター生成(Beta)機能


テンプレートから人物と背景を選択し、原稿をテキストで入力するだけで、AI アバターが完成。

Firefly アバター生成画面
作業環境 1
アバター一覧
作業環境 2
背景一覧
まずは、こちらが Firefly の「テキストからアバター生成(ベータ)」機能のみを使用して作成した動画です

女性1

男性1

女性2

男性2

Fireflyのみを使ったAIアバター動画の課題

全体的なクオリティの低さを前提として、特に問題なのが次の点です。

重大な欠点

1

Adobe が用意したアバター以外の選択肢がない

特に日本人に見えるアバターは限りなく少なく、それぞれのアバターのクオリティが低い。

2

日本語音声の品質が低い

発音が不自然、単語を誤読するケースも多い。

3

映像も音声もほぼ調整や修正ができない

生成後の微調整が事実上不可能です。

その他の不満点

映像面

  • 表情や身振り手振りが付けられない
  • 服を変更できない
  • 物を持たせることができない。

※アバターのサムネイル画角(バストショット)以外を選択不可

音声面

  • ナレーターの変更ができない

※トーン・アクセント・スピードなど一切の調整不可

改善策のご提案

工数はかかるものの、一部を手作業+商用利用可能な外部ソフトウェアを使用することで、いくつかの課題を改善できます。
外部ソフトは音声合成ソフトのみ使用し、それ以外は Adobe 製品で編集作業を行うため、法的にも問題ありません。
先ほどご紹介した、Fireflyのみで制作した動画を、今回ご提案する手法で修正した場合のサンプル動画をご覧ください。

改善後:顔、洋服の色、ナレーション、背景を変更

改善後:顔、ナレーション、背景を変更

改善後:顔、洋服の色、ナレーション、背景を変更

改善後:顔、ナレーション、背景を変更

改善策の手順

1

アバターの顔と背景を Firefly で生成

工数:
  • 使いたい顔画像を Firefly で生成
  • 背景も同時に Firefly で生成
Firefly 生成画面
2

仮の AI アバター動画を作成

工数:
  • Fireflyアバター生成機能でベースとなるアバターを一覧から(髪型や服装などが)理想に近いものを選択
  • スクリプト(台本)を入力して動画化
テンプレート選択画面
3

音声合成ソフトで音声を作成

工数:
  • VoicePeak などの商業利用可能な音声合成ソフトを使用し正しいアクセントの音声を作成
  • 作成した音声をAdobe Premiere Proで差し替え、タイミングや速さなどを調整し、映像と同期させる
VoicePeak と Premiere
4

After Effects で映像を差し替え

工数:
  • 手順①で生成した顔画像に差し替え
  • 背景も同じく①で生成したものに差し替え
After Effects 作業画面

課題の解決・改善の成果

これらの手法により、以下の課題を解決・改善できる可能性があります。

重大な欠点の解決

  • アバター選択の制限を解消

    Firefly で生成した顔画像を使用することで、日本人アバターの制作が可能になり、より自由な外見表現が可能に

  • 日本語音声の品質向上

    商用音声合成ソフトによる高品質な日本語音声生成を実現

  • 映像・音声の調整機能

    Adobe 製品での編集により、ある程度の調整が可能に

その他の改善点

  • 手作業による外見の修正や変更

    After Effects での編集により、服装の色を少しだけ変更が可能に ※アバターによっては、ご要望に沿えない場合も多々ございます。

  • 背景の自由度向上

    Firefly で生成した背景画像を使用可能に

  • 音声のトーン調整

    音声合成ソフトでトーンやアクセントの調整が可能に

それでも残る問題点

この制作方法でも、表情がつけられない、身振り手振りができない、髪型や輪郭、服装などを変更できないなど、 クオリティ面で依然として多くの制約があります。さらに、手作業が増えることで工数がかさみ、 制作本数が増えても大きなコストダウンにつながりにくいというデメリットもあります。

コストと制作期間

比較表

制作方法 コスト感 期間 品質
Firefly 単体 短い 品質・自由度制限あり
改善案の適用 中品質・中自由度

制作フロー図

発注

生成

編集

納品

法的リスクへの配慮

Adobe Fireflyの商用利用ポリシーに準拠

生成素材はAdobe Stock準拠データで学習されており、商用利用に関する法的な安全性が確保されています。

使用ソフト・素材ごとのライセンス表記

Firefly、Premiere、After Effects、Voicepeak等、使用する全てのソフトウェアと素材について適切なライセンス管理と表記を行っています。

肖像権・パブリシティ権への配慮

実在人物の無断利用を避け、肖像権やパブリシティ権を侵害しない設計を徹底しています。

改善策で広がる商用利用の可能性

Firefly にはまだ改善すべき課題がいくつも残されていますが、今回提示した改善策を組み合わせることで、商業利用にも十分対応できるレベルまで品質を引き上げることが可能です。さらに、AI アバターの生成から編集までをシームレスに行える柔軟性は大きな魅力で、プレゼン・広告・教育など多様なシーンで活用できます。これからの進化にも期待しつつ、現時点でも十分に実務に取り入れられる使い勝手の良いツールと言えるでしょう。

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